W5 EXPO 2005 実行計画 準拠文書 1 .UN World Resources 2000 Report 'People and Ecosystems: the Fraying Web of Life'; 2 .Our Common Future: The UN World Commission on Environment and Development; 3 .Agenda 21(UNCED 1992); 4 .National Action Plan for Agenda 21(Government of Japan 1993); 5 .UN Kyoto Protocol (December 1997); 6 .Annual Report on Fisheries (Government of Japan 1999); 7 .White Paper on International Trade (Government of Japan 2000); 8 .Interim Report − Eco-Friendly Cars & Trucks (Government Japan 2000);The RAMSAR Convention; 9 .BIE framework for World Exhibitions in the 21 st century; 10 . Lisbon EXPO 98; 11 . Hanover EXPO 2000; 12 . Nagoya EXPO 2005; 組織の枠組み 1 .日本国政府 2 .通商産業省 3 .環境庁 4 .運輸省 5 .建設省 6 .農林水産省 7 .日本2005 年国際博覧会協会会長 8 .日本2005 年国際博覧会協会 9 .中部経済団体連合会 10 . 名古屋商工会議所 11 . 愛知県 12 . 名古屋市 13 . 瀬戸市 14 . 名古屋港管理組合 20 世紀中に開かれた万国博覧会 W5 EXPO 2005 のテーマに関連するものとして、以下の8 回の万国博覧会を参考にした。1900 年のパリ万博、1904 年のセントルイス万博、1939-40 年のニューヨーク万博、1970年の大阪万博、1988 年のブリスベーン万博、1992 年のセビル万博、1998 年のリスボン万博、そして、2000 年のハノーヴァー万博である。 はじめに W5 EXPO 2005 アクションプラン(行動計画)は、2005 Eco World Exhibition の素案に対する、その再評価、革新、再発明と、鮮明な展望とたくさんのひらめきを手短に紹介し、確実で実践的な実行計画の概要を示す。 W5 EXPO 2005 は、中部圏の工業的競争力の増加を意図した政策であり戦略である。名古屋港とW5 EXPO 2005 との合体は、競争が激しくなる国際経済の中で、工業的機能の整理統合(インフラ)、合併強化、流線型化など、脱近代の傾向を継続させるものである。すべてのパビリオン建造物は、EXPO 2005 後の長期的利用に向けてデザインされており、従って、2005 年の博覧会を主催することの利益が末永く中部圏にもたらされるだろう。 愛知県のもっとも強い分野は、航空宇宙産業、自動車、セラミックス、建設、ロボット産業である。国際的に見て、日本の工業生産力は第一級である。製造業センターは、日本経済総額500 兆円の約四分の1 を報告している。W5 EXPO 2005 は、これらの産業と、とくに情報技術、再資源化(リサイクル)産業においての技術革新をめざす。 だからこそ、W5 EXPO 2005 は日本の工業生産とその中核である愛知県において、この国際的博覧会で特に期待されている循環型社会の創造に焦点をあてる。そして、それこそが、BIE(国際博覧会協会)の基本理念に従って、W5 EXPO 2005 は日本の工業生産をエコロジカルなフレームワーク(生態学的な枠組み)の中におく理由である。 W5 EXPO 2005 は主会場と副会場に基点を置く。主会場は自然を保全し、副会場は自然を修復する。主会場は海上の森とその周辺であり、副会場は名古屋港である。 エコロジカルフレームワークは海上の森におき、国際的なパビリオンは名古屋港に置く。名古屋港は、BIE フレームワーク:20 世紀の急激な工業化とそれによる環境破壊、人間社会における摩擦、人口増加と食糧危機、にもっともふさわしい。名古屋港は、博覧会協会の豊田章一郎会長のビジョン“環境修復の21 世紀”と、黒田事務総長のビジョン“それぞれのときめき”にとって完璧な場所である。海上の森とその周辺は、里山管理と生態的保全、CO2 削減、自然の叡智、あたらしい地球創造(Eco Community )の国際的モデルになる。両会場は、再評価と新しい方向づけ(New Direction )への好例になり、両者は矢田・庄内川というBiological Highway (生態的高速道路)によって、ひとつのBioregion (生命地域)につながることになる。Biologikcal Highway とBioregion は21 世紀の持続型開発の国際的モデルである。 生態系はどこからきたのだろう?遷移である。二つの遷移タイプ、一次と二次がある。主会場の海上の森は二次遷移の例であり、副会場の名古屋港は一次遷移の例である。海上の森は、60 年前には人間活動によって侵食され荒れた土地であった。名古屋港の西5 区は、30 年前、急激な工業化(臨海工業開発)で破壊されるまでは干潟であった。山と海、森と干潟は、名古屋を、そして日本の工業生産の中核を、持続的に支える生命地域である。 中国暦鳥歳のアジアの視野と、石油燃料に基づいた急激な工業化が起こしたCO2 削減の地球的問題は、W5 EXPO 2005 の二つのデザインフレームワーク(設計の枠組み)である。W5 EXPO 2005 は、鳥類の生息環境を守り、保全し、強調し、CO2 削減の具体的、実践的、実現計画をつくる。 海上の森は、オオタカを含む9 種の鷹や渡り鳥の住家である。藤前干潟は、50 種を超すアジア・オーストラリア航路のシギチドリにとっての、中継地である。鳥年(2005 年)におけるこれら渡り鳥の保護は、アジアの視点からのW5 EXPO 2005 の最優先課題である。 名古屋は、1997 年11 月のCO2 削減緊急行動名古屋宣言の地であり、日本は1997 年12月の炭素契約の京都議定書発祥の地であり、そして愛知は、その自動車産業によって動かされ、航空宇宙技術のリーダーとして突出している。W5 EXPO 2005 は、名古屋をハイブリッドと燃料電池開発と、火星のCO2 大気の調査研究の国際センターにする。 火星は、伝統的に戦いの神、人種間摩擦の神として認められてきた。火星についての研究は、つねに人類の知識の最前線にあった。惑星としての地球は、金星と火星の間に位置し、金星と火星は、それぞれ、とても安定したCO2 組成の大気をもつ。地球はとても不安定な化学物資をふくむ大気を持っている。人類は火星をもっと知るべきであり、W5 EXPO 2005は、2005 年に世界を火星に連れて行く。 Crossroads & Symbiosis (交差点と共生) 名古屋港はシギ・チドリたち地球の渡り鳥の交差点である。 名古屋港は、中部圏の交差点である。第2 名神高速道路は直接W5 EXPO 2005 サイトを通過する。新中部国際空港(もし造られることになれば)も伊勢湾から直接会場に達することが出来る。W5 EXPO 2005 サイトの交差点は、人間工学的に、コストと建設時間、そしてCO2 発生を明らかに削減する。 2007 年は名古屋港管理組合の100 周年である。W5 EXPO 2005 は名古屋港管理組合の効率と能力を向上させる。すべてのW5 EXPO 2005 建造物は中部圏全域の長期的視野に基づく開発計画に統合され、地域全体のエコロジカルな視点と、効率的な開発の視点が統合されるだろう。 将来的な構想で言えば、W5 線は名古屋港へのアクセスであり、East Tower は自動車とコンテナの輸出能力を高め、NorthTower は宇宙産業を高揚し、West Tower は愛知の学術研究ゾーン、South Tower はあたらしい名古屋港管理組合の事務所に、木曾崎干拓のRAMSAR ZEV ZAP CET CAT 競技場は、ゼロエミッションとクリーンエネルギーを開発する場として、五つの龍の楽園(陶磁器の森)とともに、第二名神高速道のCrossroad RestCenter (休憩地)になるだろう。 W5 EXPO 2005 構想は、中部圏の経済基盤を高め、国際環境博で提起される地球的な問題解決の線上に置きなおすのである。 日本国政府 (1) 新中部国際空港、長良川河口堰、諫早湾干拓事業の見直し、再構築、環境修復を行い、国連やEXPO が提起する環境問題に関わる、あらゆる国際的な会議や催しの場に宣伝する。 (2) 環境庁(省)は、失われた重要湿地のリストと修復プログラムを用意し、藤前干潟や汐川干潟など、ラムサール登録地に指定すべき湿地リストとともに、2002 年のラムサール条約セビル会議(COP 8 、スペイン)に提出する。 (3) ギリシャ国政府と話し合い、2004 年アテナ・オリンピックの開催に間に合うようアテナのスモッグ問題を解決する技術協力と、エーゲ海のColossus of Rhodes (ロード石像)再建への支援を進める。 (4) 愛知県におけるゴミ減量・資源化、ゼロエミッションカー(無公害車)、クリーンエネルギー、セラミックス、 等の技術的、製造業ベースでの支援を行う。 (5) 国の環境政策委員会を設置し、優れた環境功労者を委員に招く。 例えば、北川正泰三重県知事、山下弘文(日本湿地ネットワーク代表1998 年、Goldman 環境賞受賞者)、C.W.Nicol (作家)、天野礼子(公共事業を考える市民の会代表)、柳川嘉郎(御嵩町長、岐阜県) (#1 ) 通商産業省 (1) 運輸省を招待し、新中部国際空港を、準拠文書の1 .2 .6 .9 .10 .に従って見直す。新中部国際空港はバブル経済の元で、2005 年EXPO への過大な想定入場者数をもとに企画され、環境破壊と財政悪化をもたらし、経営不成立も明らかだからである。 新中部国際空港をキャンセルする代わりに、その努力をあたらしい無公害型の輸送システムの開発に当てる。例えば、ハイブリッドカー、燃料電池車、W5 ライン、エアロ・トレイン、木曾崎ZEV ZAP CET CAT サーキット、ソフトエネルギーパーク、などの開発にあて、名古屋港を脱化石燃料のあたらしい自動車工業のセンターにする。 (#2 ) (2) 運輸省を招待し、名古屋港西5 区、ポートアイランド、木曾崎干拓を愛知万博のパビリオンサイトとして使うことを認可させる。 (3) 建設省を招待し、長良川水系の生態系復原と、伊勢湾漁業の復活をめざして、長良川河口堰の5 年間の開放実験を行わせる。それがBIE フレームワークの環境悪化と食料資源枯渇への解答になりうるからである。 (4) 農林水産省を招待し、諫早湾干拓事業の再アセスメントを準拠文書の1 .2 .6 .9 .10 .に従って行わせる。同事業は日本で決して成功することのなかった大型農地造成干拓事業であり、20 世紀型の環境破壊と食料資源枯渇の典型例であるからだ。 (5) 優れた環境功労者を招き、2005 年日本国際博覧会協会の特別顧問を委嘱する。 (#1 参照) 運輸省 (1) 新中部国際空港を、準拠文書の1 .2 .6 .9 .10 .に従って見直す。 新中部国際空港はバブル経済の元で、2005 年EXPO への過大な想定入場者数をもとに企画され、環境破壊と財政悪化をもたらし、経営不成立も明らかだからである。 (2) 名古屋港内に検討中といわれる廃棄物広域処分場の計画を、準拠文書の1 .2 .6 .9 .10 .および、運輸省自身のエコポート(環境共生型港湾)構想に従って取りやめる。内外から高く評価された藤前干潟のゴミ埋立計画断念(1999 年1 月)の意義を失うものであるからである。 (3) 名古屋港西5 区、ポートアイランドを2005 年愛知万博のパビリオンサイトとして使うことを認可し、あたらしい無公害型輸送手段、クリーンエネルギーの開発、とりわけ循環型社会に必要な再資源化施設の開発に当てる。 (#2 参照) 建設省 (1) 長良川水系の生態系復原と、伊勢湾漁業の復活をめざして、長良川河口堰の5 年間の開放実験を行う。それがBIE フレームワークの環境悪化と食料資源枯渇への解答になりうるからである。 農林通産省 (1) 諫早湾干拓事業の再アセスメントを準拠文書の1 .2 .6 .9 .10 .に従って行う。1997 年の締め切りから3 年で、水質の悪化は明瞭であり、目的とされた防災効果もなかったことが判明した。「環境万博」を機会に水門を開放し、環境修復と水産資源復活のモデルケースとして再生することは、世界の期待に応える道であり、2002 年のラムサール会議にその成功を報告する。 (2) 木曾崎干拓地(444ha 、農業用地として1966 年着手1987 年竣工)も、全く未利用のまま放置されてきた。愛知三重両県の県境を確定して段階的整備をはかる検討委員会が開かれた(1999 年)が、平均標高-1m の軟弱地盤で短期開発は困難とされた。そこで、2005年の「環境万博」をめざして、愛知・三重両県の協力の下に、一部に干潟の再生、ほかを無公害輸送手段の開発サーキットや、風力、太陽、潮力等クリーンエネルギーパークとしての利用を進める。 2005 年日本国際博覧会協会 (1) 会長は、理事会を招集し、W5 EXPO 2005 の検討を命じ、かつ、藤前干潟を守る会のもつW5 プロジェクトのライセンス契約に必要な事項の協議と、BIE 議長のMr.GillesNoghes と、W5 プロジェクトのライセンス取得を協議し、W5 ライセンスを借用する。 (2) 博覧会協会は、優れた環境功労者を特別顧問に招く。北川正泰三重県知事、山下弘文(日本湿地ネットワーク代表1998 年、Goldman 環境賞受賞者)、C.W.Nicol (作家)、天野礼子(公共事業を考える市民の会代表)、柳川嘉郎(御嵩町長、岐阜県)の5 氏は、日本の自然環境の保全に多大な経験を持ち、公共事業のあるべき方向に明確なビジョンを持つ、優れたバランス感覚を備えた、大きな社会的影響をもつオピニオンリーダーたちであり、そして何より日本の山河を心底から愛し、環境NGO からの信望も厚いので、2005 年環境万博の成功に寄与するところが大きいと期待される。 (3) 博覧会協会は、W5 プロジェクト実行委員会(代表 辻淳夫@藤前干潟を守る会)と建設的な実行プランを勧める契約を交わし、名古屋港西5 区周辺の、第二会場候補地をともに訪問視察する。 名古屋港西5 区、ポートアイランド、木曾崎干拓地には、合わせて1000ha 以上の未利用の公有地があり、それらは、BIE フレームワークにある20 世紀型の環境破壊や水産資源喪失(食料資源枯渇)の典型であり、このエリアは、21 世紀への環境修復を図る可能性と、21 世紀型の、リサイクル基地、無公害輸送手段、クリーンエネルギーの開発基地として、高い可能性を持ち、環境万博の舞台として最高である。 名古屋港のエリアは、中部圏工業都市の玄関口であり、幾多の交通アクセスを備え、そのための莫大な投資が建設時間が不要であり、海外からの公式参加に便利であるばかりか、CO2 削減にも大いに寄与することになる。さらに、この地での開催は、環境万博の開催意義を愛知県が独占するのでなく、三重県、岐阜県ともアクセスの均等性をもつことから、両県の協力を得て、環境万博の内容を一層充実し、興味のあるものにでき、中部圏の将来につながるものが大きいと考えられる。 (4) 博覧会協会は、通産省、運輸省、愛知県、三重県、岐阜県、名古屋港管理組合、弥富町など関係市町村と、W5 プロジェクトの構想実現のための協議や代表による合同視察を、W5 実行委員会とともに行い、BIE 会場登録のために必要な会場計画等をつめる。 (5) 博覧会協会は、BIE と建設的な実行計画を進めるため、W5 EXPO 2005 構想のライセンス契約について協議する。W5 EXPO 2005 構想の利用ライセンスはMr.AtsuoTsuji& Prof. Ian Harnett によって(1997 、1998,1999,2000 年)に版権設定がなされている。藤前干潟を守る会は、草の根の、非営利、市民団体であり、環境保全、調査活動とともに、2005 年の環境万博に深い関心を持ち、計画の初期段階から国際的な関心の励起を図りつつ、W5 構想の提案を続けてきた。 W5 EXPO 2005 構想のライセンス料は、愛知県の環境保全にたいして、これまで大変な時間と労力と平和的な貢献を続けてきている下記の五団体に寄贈される。 1. 財団法人日本野鳥の会 (WBSJ) 2. 財団法人日本自然保護協会 (NACSJ) 3. 財団法人世界自然保護寄金日本委員会 (WWF-Japan ) 4. 日本湿地ネットワーク (JAWAN) 5. 地球の友日本委員会 (FOA-Japan) 中部経団連 中部経済団体連合会は、2004 年アテナでのW5 EXPO 2005 プロモーションイベントの企画調整、派遣実行、財政支援の責任を引き受ける。その内容は、スモッグフリーのアテナ・オリンピックであり、太陽の船による航海であり、徒歩自転車の平和行進であり、W5 火星探検隊の推進式であり、2004 年の第4 回海上の森−藤前干潟トライアスロンなどである。中部経団連は、人類愛に基づくEXPO 精神を推進し、あたらしいタイプのEXPO をあたらしい人類の歴史を作るために発信し、推進するためのひとつの理想的な組織である。 以下の企画については、別途くわしくのべる。(EXPO アイデアコンペに応募企画参照) 1. Smog-free Athena Olympic 2. The Voyage of the Ra Ships 3. The Peace Walkers, Riders, Sailors, & Flyers 4. Launch of the Mars Pioneers 5. 2004 Fourth International of Commerce and Industry 名古屋商工会議所 名古屋商工会議所は、W5 EXPO 2005 での 国際タイル博覧会イベントの企画調整、派遣実行、財政支援の責任を引き受ける。中部経団連は、人類愛に基づくEXPO精神を推進し、あたらしいタイプのEXPO をあたらしい人類の歴史を作るために発信し、推進するためのひとつの理想的な組織である。 瀬戸市は、W5 EXPO 2005 用に使われるタイルの引き合いと契約を引き受ける。タイル契約は次の五部門、1.タイル、2.陶器の森、3.智恵の小径、4.五つの門、5.五つの通路である。海外出展のパビリオンの内装は、W5 EXPO 2005 の瀬戸物契約の範囲外であるが、公式参加者やデザイナーから、背との職人や芸術家への焼き物生産の注文は期待できる。 以下の五部門の紹介も別途行う(EXPO アイデアコンペ出展参照) 1. 5 種のタイル 2. 陶器の森 3. 智恵の小径 4. 五つの門 5. 五つの通路 (#3 ) 愛知県 (1) 愛知県知事は、三重県知事と三重県をW5 EXPO 2005 プロジェクトの共催者として招待する。北川三重県知事は、2000 年に長く摩擦が続いていた芦浜原発計画を白紙に戻し、山の中に風車村を作った。三重県の環境保全グループの運動は30 年以上も実践的に続けられており、北川知事によって、そうしたNGO,NPO 活動の国際的なモデル社会が生まれつつある。三重県の社会基盤作りは、2005 年環境万博の成功に大きく寄与するだろう。 (2) 愛知県知事は、名古屋市と名古屋港管理組合をW5 EXPO 2005 の共催者として招待する。3 者は、これまで密接なつながりを持ちつつ、名古屋港の臨海開発と運営管理の責任を分かち合い、知事と市長が2 年ごとに名古屋港管理組合の管理者と管理組合議会の議長を交互に併任してきた。 藤前干潟のゴミ埋立事業も両者が主体であったが、幸い同計画は1999 年1 月に断念され、それは、画期的な政策転換として、内外から高く評価された。同計画の下になっていた西1 区港湾計画は2000 年3 月に正式に削除され、今環境庁の主導によって、国設鳥獣保護区の設定、ラムサール条約登録地指定への準備が進められている。 藤前保全の決定は、これまで無視されてきた渡り鳥や干潟の生きものたち、それらがつくり、人もその輪の中で暮らしている干潟生態系の価値を、はじめて社会が理解し、ゴミ問題の解決にあらたな方向性を打ち出したのである。そこには、藤前干潟を守る会を中心とする多様で広範なNGO の連帯と世論の大きな支援があり、国際的な協働としても特筆に価するものがあった。 W5 EXPO 2005 の基本構想に保全された藤前干潟と、それを可能にした代替策循環型社会への具体的な取り組み、「未来のリサイクル基地」を見せるのは、それが、BIE フレームワーク、21 世紀の「市民参加型の環境万博」の開催理念にもっともふさわしいからである。 (3) 愛知県は、2005 年の環境万博のプレイベントとして、愛知県下の環境問題の総見直しを行い、開催県にふさわしい対策を2005 年目標で実行する。 (4) 愛知県は、環境改善と省資源対策を積極的にとることとし、HybridHydrogen(再生可能な水素電池)や、光ファイバー通信網、High TemperatureSuperconductor (HTS)の採用などを進める。パイロット事業には瀬戸市がのぞましい。 名古屋市 (1) 名古屋市は、藤前干潟の国設鳥獣保護区指定とラムサール条約登録地指定の速やかにすすめ、2002 年のラムサール条約セビル会議に報告し、2005 年環境万博の推進に寄与する。また、名古屋市は、名古屋港管理組合に協力して、藤前干潟の環境修復や藤前干潟パビリオン(ビジターセンター)の早期建設をはかり、市民とともに名古屋港会場の成功を準備する。 (2) ゴミで環境を壊さない社会を実現するため、名古屋市と名古屋商工会議所、中部経団連は協力して廃棄物の引き取り原則PPPP(Purchaser Packaging returnto Point of Production)を確立する。名古屋市は容器リサイクルの実施に拡大生産者責任を取り入れ、生産者が正当な環境コストを負担し、それがゴミ減量の動機付けとなるようにする。 (3) ゼロエミッションと徹底分別資源化により、2010 年までにゴミ総量の半減、埋立ごみゼロ化をめざす。2005 年までに現在量の半減をめざし、W5 EXPO 2005会場に究極の資源化基地を設ける。資源化基地には5 つの内外の優れた資源化方式を、資源の材質別に競争させ、世界に智恵を集める。 (4) 資源収集ラインを、再検討し、低公害、無公害の資源化ルートを確立する。各区に常設の資源ヤード、資源ボックスの拡充を進め、それらと資源化基地を結ぶ導線として、地下鉄の夜間運行、新設の西名古屋港線、それにつなぐW5 ラインなども検討する。 (5) 名古屋市は、現在の「ゴミ収集」体系を、「資源収集」体系に組替え、資源を出しやすく、ゴミは出にくく、有害物質は生産をしないという原則をつらぬいて、「ゴミ減量先進都市」宣言を、「資源化都市宣言」にあらためる。 (6) 名古屋市は、1997 年のCO2 削減への名古屋宣言と、名古屋アジェンダ21 に基づいて、2004 年までには、Hybrid/Hydrogen 先進都市になることをめざす。従って、公用車と、ごみ・資源収集車、タクシイなどにすみやかに導入する。また各家庭でつかえる化石燃料車は1 台までと制限し、その他はHybrid/Hydrogen n 車に限る。 また2004 年までにそれを購入した人にはW5 EXPO 2005 参加の特典をつける。 (7) 名古屋市長はアテナ市長に連絡をとり、2004 年にスモッグフリーのアテナ・オリンピックを実現するための支援を約束する。 (8) 名古屋市は、海上の森と瀬戸市周辺での第1 会場の設営と開催に協力し、名古屋駅近傍の笹島協賛会場を提供し、新幹線サイドの広告塔として、森や湿地を再生し、エントランス会場として、主、副会場への参加者や各種エコツアーの出発基地とする。 瀬戸市 (1) 海上の森の自然と里山文化を壊さずに展示する第1 会場として、周辺の開発跡地に、海上の森を眺望し、その自然を探訪する出発基地としての自然史博物館(エコミュージアム)を設置する。 (2) 瀬都市周辺の開発跡地に、広葉樹林の森を復原し、瀬戸川や矢田川の水質復原、環境修復をはかる。 (3) 瀬戸市の伝統文化である焼き物や、あたらしいセラミックやカーボンナノチューブなどの新素材開発環境を整備し、環境修復と街の活性化をはかる。 (4) 第2 会場である名古屋港との水系のつながりを重視し、名古屋市との有機的なつながりを深め、光ファイバー通信網や資源化ラインでの協力関係をきづく。 (5) 瀬戸市は、W5 EXPO 2005 用に使われるタイルの引き合いと契約を引き受ける。タイル契約は次の五部門、1.タイル、2.陶器の森、3.智恵の小径、4.五つの門、5.五つの通路である。海外出展のパビリオンの内装は、W5 EXPO 2005 の瀬戸物契約の範囲外であるが、公式参加者やデザイナーから、背との職人や芸術家への焼き物生産の注文は期待できる。 以下の五部門の紹介も別途行う(EXPO アイデアコンペ出展参照) 1. 5 種のタイル 2. 陶器の森 3. 智恵の小径 4. 五つの門 5. 五つの通路