各調査地点における出現生物個体数
これらの結果より、各調査地点の特徴をまとめると以下のようになる。
・A地点
調査地点の中で、最も沖の地点である。現存量が他の地点に比べ、飛び抜けて多い。これはシオフキガイが多いためである。シオフキガイだけで、全体の湿重量の約80%を占めていた。個体数は少なかったが、アサリ、ゴカイ、ユムシ、ホシムシ類も見られた。
・B 地点
石積みの島堤の内側の地点。現存量はさほど多くないが、二枚貝類・ゴカイ類・カニ類など出現した生物の種類は多かった。現存量には現れてこないが、B地点は干潟表面にアナジャコ類の巣穴が多数見られる(下写真)。このため30cm以深でアナジャコ類が相当数生息していると思われ、これらを加えると現存量はかなり大きくなると推察される。30cm以深のアナジャコ類調査に関しては後述する。
・C地点
最も岸よりの地点。現存量が3地点中最も少ないが、個体数は最も多かった。これは、出現した生物の大半がゴカイ類であったためである。また、ウミナナフシ類、ニホンドロソコエビも数個体見られた。
A,B,Cの調査地点の生物相にははっきりとした違いがあり、岸に近いほどゴカイが多く、沖に向かうほど二枚貝が多くなる傾向が見られた。
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