(3) 考察
前述の底生生物現存量調査結果と土壌粒度組成から考察を加えてみる。また、土壌粒子の粒度組成には、藤前干潟のデータも加えた。
人工干潟の造成に山砂を使用した場合(五日市、大阪南港)と、浚渫泥を使用した場合(葛西東なぎさ)では、粒度組成に明瞭な差が出る事がわかる。
自然状態の干潟であれば、河川の流速の低下とそれに伴う運搬力の減少で自然にふるい分けが行われ、粗粒のものは中流域で堆積し、干潟には細砂〜シルト、粘土といった細粒の成分が堆積するはずである。
現に、藤前干潟各地点においては、粒度組成では90%以上が細砂以下の粒度のものであり、シルト、粘土が30%を超えるポイントすらある。
対して、山砂を投入すると、シルト、粘土分はともかくとして、粗砂、礫がふるい落とされていないため、自然干潟では存在しない、粗粒成分の多い粒度組成となる。
粗粒の成分は、底泥に巣穴を掘る生物にとっては障害となるようであり(五日市の報告書参照)、結果として底生生物の種類と量に影響を及ぼすと考えられる。
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