Booklet 02 P.8

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学校が過重な役割を背負い込むのを避けること。

 

 

2 「学校の役割」の見直しを

その一環として、「親の会」やフリースペースなどとも交流し、場合によってはこれらの 「社会資源」を積極的に活用することも検討してほしいと思う。それは決して学校の責任放棄ではないし、むしろ今求められいるのは、父母たちと率直に話し合いを行いながら、「学校として対応できること、できないこと」についてはっきりさせ、学校が過重な役割を背負い込むのを避けることではないだろうか。この背負い込みが、果てしない規則の制定などの管理強化につながり、子どもたちをさらに追いつめるという悪循環になっているように思われる。

3 「学校システム」自体の問い直しを

「不登校対策」という発想自体を転換してほしい。問われているのは「学校システム」であり、大人たちの「子ども観」、さらには大人社会そのものではないだろうか。このごろは特に、「最近の子どもは」云々という言い方が流布されているが、子ども社会の歪みは、大人社会の歪みの反映であることを、大人の側がまず自覚することから始めなくてはならないと思う。例えば「いじめ」としか言えないようなリストラを放置して、子どもに「いじめをやめよう」などと説教しても、いかにも説得力が弱いのではないだろうか。

4 進路選択の自己決定を

 現在の進路指導は、「どこかの高校に入れる」ことを第一の目標としているように見受けられる。このままでは、高校段階での登校拒否や中退が、更に増え続けるであろう。もちろん、高校側でも魅力ある学校づくりの努力はされているのであろうが、回り道のようでも、子どもと親、学校が「何のために進学するのか」ということを率直に話し合い、進路は学校ではなく、自分たちの責任で決めるというように意識改革を進める必要があると思う。

 そのためにも、まず親自身が、今回のバブル崩壊を奇禍として、「良い大学→良い就職→良い生活」という学歴信仰は、もはや幻想であることに、早く気がつくことが大切であろうし、学校もまた過度の進学競争を煽るような進路指導は控えていただきたいと願っている。

 


Aya

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