市民が提案する
「国営瀬戸海上の森里山公園」のマスター・プラン

 

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 8.エリア配置プラン


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 以上のような整備計画により、具体的なゾーン配置計画と施設配置計画を、図のように考えてみました。土を踏みしめて歩いているうちに、次々に自然に海上の森の魅力のポイントに出会えることを意図しました。

 エリア配置の境界は、きっちりとした境界線ではなく、およその区分線です。施設配置計画は、銭屋鋼産跡地に集中させて、管理事務所とセンター・里山研究センターを置きます。管理センターには、事務室の他、講演会や会合に使う集会室をいくつか作ります。研究センターは、研究者の研究室の他に各種の分析を行う分析室や実験室が必要です。吉野町の砂利取り場付近に、木材加工工場や木質発電の工場を作ります。しかし、これは決定したわけではありません。吉野町の静かなたたずまいをそのままとするために、むしろ銭屋鋼産跡地という公園のエントランス部分に、多くの人々に見てもらえるように木質発電所を作っても良いかもしれません。

 宿泊施設は、海上川の四ツ沢のやや上流部の場所に、木造カヤぶきの農家風の建物とし、50人くらいが宿泊できる棟を二つくらい作る必要があると思います。海上の里にも、丘の上に同様の宿泊施設を作ります。里の民家跡には、海上の里の「歴史・民俗資料館」を作ります。陶芸エリアには、穴窯を設置し、陶芸工房を作ります。また、里の東部の山には、炭焼き窯と炭焼き小屋を作ります。入口は、銭屋鋼産のメインゲートの他、吉田川ゲート、東山路町から入る東ゲートと篠田川から入る北ゲートを設けます。

 入口の他は人が入り込めないような山を除いて、周囲を柵で囲います。ゲートの近くには駐車場を配置します。大きな駐車場は、メインゲートの管理センター前に約200台分、その南に約200台分を配置します。北ゲートおよび東ゲートにはそれぞれ約30台分、吉田川ゲート付近には約100台分の駐車場を確保します。

 幹線園路は、アスファルト舗装はせず、原則として一般入園者の自動車の乗り入れはできないようにします。幹線園路の役割は、地権者の生活のためおよび公園の維持管理のための物資の輸送用道路として、ほとんど現在のままの状態を保ちます。またそれは、森林の伐採・運搬のための林道としての役割をもっていますので、待避場所などを増やす必要がありますし、狭くなっているところは拡幅する必要があるでしょう。現在の里から大正池への道路は遊歩道とし、現在それは市道ですが、封鎖します。東山路からの道は大正池の南に道路を通して四ツ沢の林道に入れるようにします。現在、篠田川沿いで篠田池までは車が通れる道はありませんが、森林維持のための幹線園路を通し、篠田川の南の林道とつなげます。

 一般入園者のためのトイレを数箇所(四ツ沢、赤池、海上の里、物見山、篠田池、大正池の付近)の他、各ゲートにも設置します。現在の散策路はそのままにし、道案内版を立てます。貴重種ゾーンでは、湿地保護のための木道などが必要です。また、約500mに一個所程度の休憩所を作り、木製のベンチとテーブルを置きます。見晴らしの良いところなどには(物見山、物見台、三角点、五輪塔など)、木製のベンチやテーブルくらいは設置したいです。

 これらの施設・園路・遊歩道などの建設には、オオタカなど鳥類やほ乳動物の営巣を配慮し、営巣期間をはずして工事をすることは言うまでもありません。また、貴重な植物など、その生態を配慮して工事することも言うまでもありません。入園者の安全を配慮して、その工事は土曜日や日曜日の入園者が多くなる時期は避けることが必要です。また、鳥類の営巣に配慮して、特定の営巣期間については、特定の場所や特定の遊歩道を立入禁止にする必要もあります。

 実際にこの里山公園構想が行政当局に承認された場合には、さらに細かく計画を立てなければなりませんが、それは承認されてからの話しですので、これ以上の深入りは避けたいと思います。

 

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